忘れられないレースが有ります。

1998年の日経賞です。

最低人気のテンジンショウグンが一着になり大波乱、競馬ファンには有名な記憶に残るレースですが、私にとってもその後の競馬に対する思いを大きく変えるレースでした。

私の馬券の買い方は主に流し馬券。

その時も結果二着に入った7番人気シグナスヒーローを軸に総流しを考えていました。

窓口でいざ馬券を購入する間際、もう一度馬柱に目をやり、「あー、この馬だけはないな。

」とテンジンショウグンを買い目から外してしまったのです。

障害がえりの高齢馬、、それだけの理由で。

結果テンジンショウグンは一着、シグナスヒーローが二着となり馬連の配当は20万超えとなりました。

馬連で千円づつ流していたので、もしテンジンショウグンを切っていなければ200万を超える配当でした。

競馬に「たられば」はないですし、よくあることと言えばそれまでなのですが、とりそこねた配当金の大きさより、私は自分の浅はかさを後悔しました。

障害がえりの高齢馬、それだけの理由で、あっさり来ないと決めつけた自分、テンジンショウグンに申し訳ないような恥ずかしいようななんとも言えない気持ちになったのを鮮やかに記憶しています。

どんな馬にも勝つチャンスはある、絶対来ない馬なんていない、わかっているつもりでしたが、そのレースで思い知らされ、その後の私の馬券検討の姿勢が大きく変わりました。

あの時、私が200万の配当を取り逃がした悔しい気持ちだけしかなかったら、競馬を続けていなかったかもしれません。

競馬、馬券に向き合う考え方は人それぞれですが、私は、この日経賞で貴重な勉強をさせてもらった、と思っています。

そして馬一頭一頭を納得いくまで検討することで、当たり外れは、ともかく、後悔しない馬券購入が出来るようになったと考えています。

障害がえりの9歳馬が演じた見事な勝利、テンジンショウグンの名前は忘れることは出来ません。

そして勝利ジョッキーの江田照男ジョッキーも「穴騎手」として記憶に焼き付きました。

第46回日経賞(G2)、2500メートル、時間にして2分半余りの一つのレースが私に教えてくれたものは大変大きく、競馬の枠を超えて自分の生き方にも影響を与えている気さえします。

テンジンショウグンの教訓、誰にでもチャンスはある、やれば出来る、ダメな人間なんていない、何があるかわからない、。

とりそこねた配当の何倍もの勉強をさせてもらったことを生涯わすれることはないと思います。